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星 三千男; 上野 馨
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(9), p.685 - 689, 1978/09
第四級アンモニウム塩を用いる溶媒抽出法でウラン(VI)の錯陰イオンとコバルト(III)錯陽イオン間の相互作用を研究した。分配比Dは全塩素イオン濃度とともに減少した。しかもある全塩素イオン濃度以上になるとDの減少はコバルト(III)の錯塩化物が存在すると塩化アンモニウムや塩化カリウムが存在する場合に比べて大きくなった。ただしスルファト錯体系ではこれにあてはまらない。この様な結果からウラン(VI)錯陰イオンとコバルト(III)錯陽イオン間の相互作用が存在し、またこれらの陰陽錯イオンから構成されるイオン会合体の存在が考えられた。
星 三千男; 上野 馨
Radiochem.Radioanal.Lett., 29(6), p.331 - 340, 1977/06
ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物を沈殿剤として、トリウムおよびウラン(VI)のスルフィト錯イオンの沈殿を調べた。ウラン(VI)では、オレンジ色の沈殿、〔Co(NH)〕〔UO-(SO)〕22HOが得られた。その沈殿は電子顕微鏡写真から稜の長さが4mの正八面体結晶であり、X線解説分析から格子定数a=10.40のダイヤモンド型立方晶系に属することがわかった。空気中で熱分解をおこなうとコバルト(II)とウラン(VI)の硫酸塩混合物を経て、850C以上で酸化物CoOとUOの混合物を生成する。トリウムの沈殿は一定組成を持たず、合成条件によって変化する。そのため、トリウムの沈殿はトリウムの水酸化物と塩基性亜硫酸トリウムを含むものと考えられる。